テスラは世界中のアーチストやクリエーターを刺激しつづけており、その名前はあらゆるジャンル、メディアに登場しています。ここではそんなテスラとメディアの関係を思いつくまま、気づいたときに紹介していきます。 不定期更新ですが、できるかぎり新しい情報を取り入れていきたいと思っています。皆様もどこかでテスラを発見されましたら、ぜひ、情報をお寄せください。 |
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◎最近のメディア紹介状況をまとめて紹介 1997.11.1 ◎学研「6年の科学」11月号に紹介記事 「知られざる超発明王ニコラ・テスラ」というタイトル見開き2ページの紹介記事が載りました。テスラの写真がなかなか迫力です。制作者は資料で協力させてもらいました。 ◎学生援護会「TPIS」にインタビュー&紹介記事 学生援護会の「TPIS(テピス)」1998年11月号に制作者のインタビュー記事と紹介が載りました。タイトルの「奇の発明家ニコラ・テスラと彼をとりまく実業家たち」からもわかるように、ビジネス寄りの記事になっています。 ◎アニメの人気キャラにも TVQで毎週金曜日に放映されている人気アニメ「スレイヤーズ」にはアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンという名のヒロインが登場します。年齢14、5歳。セイルーン第二王女で、職業は巫女。美形で、かなりの人気キャラだとか。声優は鈴木真仁。ただし名前の中のテスラがわが発明家と関係しているかどうかは不明。これも求む情報です。 ◎幻想水滸伝にも 少し古くなりますが、1995年に発売されたコナミのプレイステーション用人気ゲーム「幻想水滸伝」にもテスラというキャラが登場しています。ただしメイン・キャラではないようです。 ◎フジTV「奇跡体験アンビリーバボー」の テスラ 1998.3.8 3月7日(土)放送のフジTVの「奇跡体験アンビリバボー」(19時〜20時)にテスラが取り上げられました。タイトルは「天地を揺るがせた男−狂気の天才ニコラ・テスラ」。 わたしもテスラの業績を正しく伝えることを条件に、資料や写真等で協力しました。 内容的には番組の制約上からくる誇張があり、必ずしも史実に忠実といえない部分なども散見されました。とりわけテスラがレーザーを使ってツングース大爆発を起こしたという段には驚きました(そういう根拠のない憶測をする超科学者はいますが)。第一、当時レーザーはまだ発明されていませんし、テスラが秘密裏に開発していたという話もありません。 わたしは内容にはタッチしませんでしたが、ああした部分は事前にチェックさせてもらいたかったと思います。 とはいえ前段で、発明家としての業績を一応紹介したこと、メインキャスターのビートたけし氏の口から、テスラの名が何度も出たことで満足すべきでしょうか。 放映後、本ホームページのアクセス件数が急増しました。やはりTVの影響力は強いのだなと改めて認識したしだいです。 ◎ピップ・エレキバンの磁気表示が 「ミリテスラ」に 1998.3.8 テレビCM等でおなじみの磁気治療器「ピップ・エレキバン」は、磁界の強さを数字で表示するのをCM戦略のひとつとしてきました。「800ガウス」、「1300ガウス」とか言う数字は聞いたことがあるでしょう。私はこれが以前から少し気になっていました。 テスラ・ファンとしては、800ガウスは、できれば0.08テスラか80ミリテスラにしてほしい。でも、企業戦略上から無理だろうな、などと思っていたのです。 「テスラ」は、1960年の国際会議で採択されたMKS(メートル・キログラム・秒)単位系にもとづく磁束密度の単位です。単位記号はT(1T=1Wb/u)で、CGS電磁単位系のガウス(G)との関係は1Gが10のマイナス4乗Tとなります。 つまり、1ガウスは「国際単位(SI)」系では0.0001テスラとなるわけです。 我が国でも、1993年11月に施行された「新計量法」で、基本的に国際単位に合わせていくことが決定されています。しかし国際単位を採用すれば、1ガウスは0.1ミリテスラとなりますから、800ガウスが80ミリテスラとなってしまいます。理由はともあれ、数字が小さくなるのは、製品イメージにとっては決してプラスにならないはずです。 やはり変更はむずかしいのかな、と思っていたところ、すでに昨年十月から「ピップ・エレキバン」の表示は「80ミリテスラ」に変わっていたのです。ついさっき、検索サイトでこの事実を知ってびっくりしました。 いくら新計量法の施行という動機づけがあったとはいえ、不利を承知で「ミリテスラ」の採用に踏み切ったというのは大英断です。発売元の「ビップフジモト株式会社」に敬意を表するとともに、テスラの名がCM等でクローズアップされることをファンとともに喜びたいと思います。 ◎「地球をまっぷたつにしないプロジェクト」の実態とは? 1998.3.5 今日(3月4日)、フジテレビ昼の『笑っていいとも』を見ていてびっくり。 冒頭、当日の観客から提供された話題や体験を披露するコーナーがあります。そこで「スーツを着たサラリーマンが喫茶店で、『地球をまっぷたつにしないプロジェクト』について大真面目に話していた」という大学生の話が紹介されたのです。 タモリをはじめレギュラー陣が「『地球をまっぷたつにしないプロジェクト』ってなんだ?」と首をかしげていました。 だれかが、「じゃあ、地球をまっぷたつにするプロジェクトがあるのかよ」と正しい突っ込みを入れていましたが、テスラ・ファンなら「地球」「まっぷたつ」というキーワードだけでピンとくると思います。これは間違いなくテスラの「地球二分割破壊法」のことでしょう。 もちろんあの話は、テスラが無線システムなどの原理となる共振の原理を説明するために、少しオーバーな例をとったもので、発明家自身も現実にはそんなことは不可能だと認めています。 しかしオカルト雑誌などは、それをテスラ最大の発明のひとつとして、人工地震発生装置などと並べて紹介しています。こうした記事が、オーム真理教のマッドサイエンチストたちを刺激して「地震兵器」の妄想へと駆り立てたことは、すでにご存知の通りです。 でも、サラリーマンが大真面目で話していたというのは、一体どういうことなのでしょうか? 本当にそんなプロジェクトが存在するのでしょうか。ひょっとしたら、オーム科学技術省の生き残りがまた動き出したのでしょうか? でも、それだったら、地球をまっぷたつにするプロジェクトになりそうなものですが。まっぷたつにしないとはどういうことでしょう? あるいは、それに反対する組織なのでしょうか。 地球をまっぷたつにするのか、しないのか。どちらかはっきりさせたいので、なにか情報がありましたらよろしくお願いします。 ◎『電力の歴史』の冷静なテスラ評価 1998.3.3 1996年に翻訳が出たT・P・ヒューズの『電力の歴史』(平凡社)は、電力史を公正な目で概観した好著です。 従来、電力史におけるテスラの評価は不当に低いものでした。交流と直流を巡るいわゆる「電流戦争」でも、直流派のエジソンに対抗する交流派としてはウェスチングハウスの名が筆頭に挙げられ、テスラは脇役的に扱われてきました。 本書はテスラに業績に比較的多くのページをさき、類書では余り触れられていない回転磁界の発見をめぐるガリレオ・フェラリスとの優先権争いなども丁寧に紹介しています。これについてヒューズは、アイデアに関してはフェラリスの優先権を認め、特許についてはテスラの優先権を認めています。 テスラ自身は回転磁界のアイデアをえたのは1882年の冬だったと主張しています。これはフェラリスの発表に3年余り先立つもので、テスラ研究者はこれをもって回転磁界発見の年と定めています。しかしヒューズは証拠がテスラの回想だけしかないとして、テスラの主張を退けています。これに関してはテスラの優先権を認める友人の証言などもあり、私としては反論もありますが、ひとつの評価ではあるでしょう。 テスラ研究者は長年にわたる過小評価に対する反動もあって、ややもすると交流に関する業績をテスラひとりに集中させすぎるきらいがあります。ヒューズは電力史におけるテスラの功績を冷静に評価しようとしており、テスラ研究者が贔屓の引き倒しをしないためにも、このような本は貴重でしょう。 高価な本ですが、興味のある方はテスラに関する部分だけでもご一読をお勧めします。 テスラはM.I.Bに監視されるべきだったか? 1998.2.9 遅ればせながら映画『M.I.B』を見ました。ごぞんじのように地球に侵入した異星人を監視するエージェントたちの物語です。出来としては、多少スパイスが足りない感じがしましたが、それなりに楽しめました。 そういえば、一昔前、テスラが異星人だったという説がまことしやかに流布されたことがあります。テスラは金星で生れ、地球に飛来した金星人だったというのです。噂の出所はUFOマニアの神秘主義者たちでした。また、テスラの膨大な発明は、実は地球に侵入した異星人に教えられたものだと主張する者もありました。でも、考えてみれば、これは発明家テスラに対する大変な侮辱です。テスラの才能や努力はどこにいってしまうのでしょう。こういうのを贔屓の引き倒しというのではないでしょうか。 テスラは正真正銘地球人でした。単に規格外れの地球人だったにすぎません。テスラが異星人だったなどと言えば、同胞のセルビア人がさぞ嘆くことでしょう。このあたりについて批判した明快な論評が「Men In Black」にあります。興味のある方はどうぞ。 ◎旧東独のデッサウでテスラ関係のメディア・フェスティバル開催 1998.2.9 少し古い話題になりますが、昨年11月5〜9日、ドイツ(旧東独)のデッサウでテスラを核にしたメディア・フェスティバルが開催されました。このフェスティバルは「オストラネニー(OSTRANENIE)97」といい、中東欧のメディア・アーチストが一堂に会するイベントとして1993年から開催されてきました。今回は東欧出身の著名人ということでニコラ・テスラが取り上げられ、彼の「世界システム」に触発されたパフォーマンスが繰り広げられました。 「世界システム」とは、テスラが今世紀初頭に構想した電波による全地球的なエネルギー・情報ネットワーク・システムです。彼はこの雄大な計画を実現するため、モルガン財閥の支援を受けて研究・実験施設の建設に取りかかりました。残念ながら、資金難などから完成には至りませんでしたが、その予言的なビジョンは、今なお世界中の研究者やアーチストに刺激を与えつづけています。 |