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テスラかく語りき

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 テスラは発明を通じて宇宙や人生についての省察を深めていきました。そこから数々の名言、至言も生まれました。そんなテスラの発言の中から、管理者の独断で一部を紹介します。
 順次、追加していく予定です。


    エジソンについて

    ★無趣味で、あらゆる類のスポーツ、娯楽に無関心で、衛生に関するもっとも基本的な原則にも無頓着だった。のちに、夫を守ることだけを生き甲斐とする稀有の知性を備えた女性と結婚しなければ、完全な無頓着の結果として、もっと早く死を迎えていただろう。
    ★エジソンは一ダース以上のノーベル賞に値する。(1915年)

    マルコーニについて

    ★マルコーニはいいやつだ。やらせておけばよい。彼はわたしの特許を17も使っている。(1901年)
    ★マルコーニはまぬけだ。(1927年)

    無線のアイデア

    ★情報の無線送信のアイデアは最近の電気的な探究の自然な成り行きである。熱狂的な一部の人たちは、大気を通じた誘導によってどんな遠隔地にも送信できる無線電話が可能だとの信念を表明している。わたしはそこまで想像を広げられないが、強力な機械によって、地球の電気的条件を妨げ、明白な信号を、あるいはおそらく電力を送ることは実用的だと強く確信している。実際、こうした図式を妨げるものはあろうか?(1891年)

    惑星間通信について

    ★惑星間通信より重要なものはないと確信している。それはいつの日か必ず実現する。宇宙には自分たちのほかにも人類が存在し、働き、傷つき、苦闘しているという確信が魔術的効果を生み、人類が存続する限り続く宇宙的な友好の基礎を築き上げるだろう。(1931年)

    無線誘導ミサイル

    ★現在は補助翼もプロペラもない飛行機を計画しているところだが、これは驚異的なスピードを誇り、近いうちに強力な平和論を提供しそうである。完全に反動力によって浮揚・推進させられるこの航空機は、機械的エネルギーないしは無線エネルギーによって制御される。適当な装備を施せば、こうしたミサイルを空中に発射し、数千マイル離れた目標地点にほぼ正確に落下させられるようになるだろう。(1919年)

    テロートマトン技術について

    ★わたしはこの機械は、生物の方法で移動を行うだろうと推論するが、というのも、それは生物と同じ主要な機械的特性や要素をすべて持つだろうからだ。それでもなお、そこには成長や繁殖能力、そしてとりわけ、モデルを完璧なものにしたいという精神がある。しかしこの場合、機械はいわば充分に成長したものとして製造しうるので、成長は必ずしも必要ではない。繁殖能力についても、同じく度外視できる。というのは、機械的モデルにおいて、それはたんに製造工程を意味するからである。
     要求されるすべての仕事を知的存在のように実行できれば、オートマトンが骨と肉でつくられているか、あるいは木材と鉄でつくられているかは大した問題ではない。そのためには、起こりうるどのような不測の事態にも、知識や理性、判断、経験をもって移動と操作を制御し、オートマトンを動かす知性に相当する要素をもたねばならないだろう。しかしこの要素は、わたし自身の知性、わたし自身の理解で伝えることによって簡単に実現できる。そのようにこの発明は進化し、そして新しい技術が存在するようになり、そしてそのために「テロートマチック」という名前が示唆されているが、それは離れたオートマトンを制御し、動かし、操作する技術を意味している。(1901年)

    粒子ビーム兵器

    ★わたしの装置は比較的大きい粒子、または顕微鏡的次元の微粒子を投射して、非常な遠距離の狭い面積にあらゆる光線のエネルギーの何兆倍ものエネルギーを運ぶことができる。かくして髪の毛より細い流れによって何千馬力ものエネルギーが転送されるので、何者もこれには抵抗できない。(1934年)

    幻覚

    ★わたしは映像の出現が引き起こす特異な葛藤に悩まされていたが、それはたいていの場合、現実の物体をおおい隠し、思考と行動を妨げる強烈な閃光をともなった。映像は以前に見た現実の物体や景色で、絶対に想像の産物ではなかった。言葉を聞くと、指示された物体の映像が目の前にありありと浮かび、自分が見ているのが、現実かどうか区別できなることがあった。これは非常な不快と不安をもたらした。(1919年)

    発明の目的

    ★発明の究極の目的とは、自然の力を人類の必要に役立てながら、物質世界を超える精神の完全な支配をもたらすことである。(1919年)

    発明の方法

    ★わたしは実際の作業を性急に進めることはしない。アイデアがえられるや、ただちに想像の中で組み立て作業を開始する。頭の中で装置の構造を変化させ、改良し、操作する。思考の中でタービンを動かそうと、工場で試験しようと、わたしにすればまったく変わりはなかった。回転に不均衡があるかどうかさえわかった。(1919年)

    発明と直観

    ★本能は知識を超越したものである。われわれの脳内には疑いなく真理を把握させるすばらしい神経組織があり、その時には演繹的な論理や計画的な思考の努力は取るに足らないものとなる。(1919年)

    アイデア

    ★あまりに盛り沢山のアイデアが脳を通過したので、飛んでいく時につかみ取れたのはわずかだったし、そのうち完成まで持ち込める時間と強度を見出せたものはさらに少なかった。同じアイデアをえた発明家に出し抜かれることもしばしばだった。ああ、それが男の悲嘆を作り出しているのだ。

    未来

    ★現在は彼らのものだが、わたしが心血を注いだ未来はわたしのものだ。(1927年)

    独身主義

    ★発明家は、野性的で情熱的な激しい性格の持ち主なので、愛する女性に夢中になると全身全霊で打ち込み、自分が選択した分野からすべてを与えてしまうだろう。結婚した男によってなされた偉大な発明をあげることはできないと思う。(1897年)

    母について

    ★母は最高の発明家で、わたしの信ずるところによれば、多様なチャンスに満ちた現代生活からそれほど離れていなければ、偉大なことを成し遂げただろう。彼女はさまざまな道具や装置を発明し、組み立て、また自分で紡いだ糸ですばらしいデザインの布を織った。種を播き、植物を育て、その繊維をえりわけさえした。夜明けから夜遅くまで根気よく働き、衣服や家具はほとんど自分の手でつくった。六十歳を過ぎても、母は自分の指だけで一本のまつげに三つの結び目をつくることができた。(1919年)

    宇宙は機械である

    ★宇宙は始めもなければ終わりもない巨大な機械に過ぎない。人類もこの自然界の秩序の例外ではない。人間も宇宙と同様に機械なのである。われわれの心に浮かぶものや行動を決定するものは、外部から感覚器官を襲う刺激に対するこの直接的、間接的な反応以外には存在しない。人体の構造は類似しており、環境も同一なので、似たような刺激に対しては同じように反応し、この反応の一致から理解が生まれるのである。
     時を重ねるうちに、無限に複雑な仕組みが進化するが、人が魂とか霊魂とか呼んでいるものは身体機能の総和に過ぎない。機能が終われば、魂や霊魂も同様に終わるのである。 (1934年)

    戦争と平和

    ★懲罰的な政治が平和の条件に適用されたことはきわめて遺憾である。なぜなら今後数年の間に、国家が軍隊、艦船、銃などよりもはるかに恐ろしい兵器によって、破壊的戦闘を行うことが可能になり、その戦場は事実上無限だからである。敵からどれだけ離れた都市でも、破壊されうるし、それをとめる力は地球上に存在しない。地球を地獄に変えるかもしれない差し迫った災難や情勢を変えたいなら、飛行機械とエネルギーの無線送信の開発を少しも遅滞なく、しかも国家の全精力と全資源を用いて推進すべきである。(1919年)

    女性の社会進出

    ★男女平等に向けた人類の女性の苦闘は、女性優位という新しい性の秩序によって終焉を迎えるだろう。皮相な現象だけで女性の進歩を先取りしている現代女性は、種の内部でより深く、より強力に発酵しているものの表面的な兆候に過ぎない。男性のうわっつらな模倣ではなく、なにより自分たちの知性の目覚めによって、女性はまず平等を、ついで優越を主張するようになるのである。
     歴史の始めから、幾世代にもわたって社会に隷属してきた結果、女性はおのずと部分的に退化し、さもなければ少なくとも、女性が男性と同様に恵まれているとされる知的資質の遺伝的継承は停止されてきた。しかし女性の知性が、男性と同様、あらゆる学識と業績を獲得しうる力を備えていることはわかっているし、世代が下るほどその可能性は広がっていくだろう。平均的女性は平均的男性と同程度に教育を受けるようになるし、女性の脳に眠っている能力が、何百年も休んでいたがゆえにいっそう強烈に活発になった活動に刺激されると、男性よりももっと高度な教育を受けるようになる。女性はそのめざましい進歩によって文明を驚愕させるだろう。

    禁欲と節制について

    ★ウィスキー、ワイン、紅茶、コーヒー、タバコのようなもの多くの生命を縮めることに責任を負っており、節制とともに用いられるべきである。しかしわたしは、何世代にもわたって追随されてきた習慣の抑圧のゴリゴリの基準は推奨されるべきものではないと考える。禁欲よりは節制を宣伝するほうが賢明である。(1901年)

    ★現在、わが国ではアルコール消費を防止するための手荒い改革が行われている。これは憲法違反とはいえないが、そのくせコーヒー、煙草、チューインガムなどの刺激物は肯定的に扱われている。年端のいかぬ者までがおおっぴらに耽っているこうした嗜好品は、死亡者数から判断すると、国家にとって非常に有害なものである。(1919年)

    アメリカについて

    ★「ここはアメリカか?」わたしは痛みのような驚きの中で自問した。「ヨーロッパよりも百年文明が遅れている」。それから五年後の一八九九年に渡欧した時、わたしはヨーロッパより百年以上進んでいると確信するようになり、今日に至るまでこの意見を変更するような出来事に出会ったことはない。(1919年)



    (C)Masaaki Shindo


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