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ごあいさつ


 19世紀末に活躍した発明家ニコラ・テスラは、交流モーター、交流発電機、変圧器などの発明によって、今日の交流電力システムの基礎を築いた科学技術の偉人です。また無線の分野でも、無線電信、無線電話、ラジオ、遠隔無線操縦などの先駆的業績をあげたほか、放電照明、高周波療法、高性能タービン(テスラタービン)など、数々の発明を残しています。磁束密度をあらわす国際単位には「テスラ:T」が採用されているのは、こうした功績を記念したものです。
 彼のライバルだったエジソンは「発明は1%のインスピレーションと99%の努力」と断じましたが、テスラはインスピレーションをなにより重視し、努力は当然ともなうものだと考えました。その創造性は時代を超えて現代にも受け継がれています。
 たとえば彼が100年前に構想したポケット型無線機のアイデアは携帯電話として現代に実現しています。同じく無線送電は、マイクロ波無線送電として実用化に向けた実験が進められています。また、テスラタービンは、自然エネルギー利用のキーテクノロジーとして世界中の大学や研究所で研究が進められています。それにともなってテスラに対する関心も世界的な高まりを見せています。
 現在、彼に関連するホームページだけでも数万サイト存在し、検索サイト「グーグル」で「Tesla」を検索すると約1000万件がたちまちヒットします。
 近年は日本においても人気・知名度が高まり、テレビ、雑誌、漫画、ゲーム、音楽などのメディアで取り上げられる機会もふえております。ファンも増加し、インターネットのコミュニティ、ブログ、ホームページなどを中心に交流が深まっています。
 2006年は、そのテスラの生誕150年の記念すべき年にあたり、彼の偉業を記念して世界中で盛大な祝賀行事が開催されることになっています。そこで日本でもこれに呼応して、国内のテスラ研究者・ファンが集って、生誕を記念するイベントを企画することにしました。
 内容につきましては、講演、シンポジウム、映画上映、テスラコイル・パフォーマンス、各種展示、記念出版などを予定しております。
 テスラの偉大な業績は人類共通の財産ですが、その評価はまだ充分なものとはいえません。この記念イベントが、テスラの普遍的な業績を内外に広く知らしめるとともに、次代をになう青少年に科学のおもしろさを伝える機会になればと祈念するものです。

テスラ生誕記念イベント実行委員会



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