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テスラは遍在する 2005
warden  テスラは世界中のアーチストやクリエーターを刺激しつづけており、その名前はあらゆるジャンル、メディアに登場しています。ここではそんなテスラとメディアの関係を思いつくまま、気づいたときに紹介していきます。
 不定期更新ですが、できるかぎり新しい情報を取り入れていきたいと思っています。皆様もどこかでテスラを発見されましたら、ぜひ、情報をお寄せください。
日 付 ★クロアチア政府、テスラ生誕150年の祝賀行事を決定

2005.12.2

 クロアチア政府は11月、2006年のテスラ生誕150年を政府として祝賀することを決定しました。記念行事としては、生家の博物館への改装や、テスラの業績に関する会議・講演の開催などが計画されています。
 クロアチア生まれのテスラは長くクロアチアの誇りとしてたたえられてきました。しかし、1990年代のユーゴスラヴィア内戦中は、彼が敵対するセルビア人であったために、その評価は大きく低下しました。
 その後、内戦が終結して両者の関係が改善されるとともに、テスラの栄誉も回復されました。
 テスラは生前、自分は「セルビア人の両親と、祖国クロアチアをともに誇りに思っている」と言い続けてきました。そんな彼にとって今回の決定と、クロアチア・セルビアの関係改善はなによりの贈り物となるでしょう。(「Yahoo!ニュース」から)


★「奇術師」のテスラ役、デヴィッド・ボウイで決まり!?

2005.11.24

「ハリウッド・リポーター」などによれば、クリストファー・ノーラン監督「奇術師」のテスラ役に、デヴィッド・ボウイが決まりそうです。
 ボウイといえば1960年代から活躍するカリスマ・ロックアーチスト。俳優としても著名で、「地球に落ちてきた男」(1976年)、「戦場のメリークリスマス」(1983年)などが有名です。
 無名俳優を予想していたので、ちょっと意表をつかれましたが、彼ならテスラの狂気と情熱を表現できそうです。けっこう、よいキャスティングではないでしょうか。
 ボウイとなれば、欧米はもちろん世界的な話題になるでしょう。あわせてテスラの知名度も上がるでしょうから、これはテスラ・ファンにはうれしいニュースでした。
 近々決定しそうなので、その際にはまたお知らせします


★プリースト「奇術師」映画化、テスラ役は誰?

2005.11.13


 以前、ご紹介したクリストファー・プリーストの「奇術師」(ハヤカワ文庫 FT)が映画化されるそうです。
 監督は「バットマン・ビギンズ」のクリストファー・ノーラン。出演はクリスチャン・ベール、ヒュー・ジャックマン、マイケル・ケイン他とのこと。
 なんといっても気になるのはテスラ役がだれになるか。いろいろ検索してみましたが、今のところ情報はないようです。ただ、「ニコラ・テスラの秘密」のようによく似た素人を使うことはなさそうです。訓練する時間がないでしょうから。既存の俳優から、できるだけ似た俳優を見つけてくるのでしょう。
 本物に迫るかっこいい役者が見つかるといいのですが。
 公開日は未定ですが、来年1月から撮影、来年中に公開は確定とのこと。期待したいと思います。


アメリカで無線送電にふたたび脚光

2005.10.25

 アメリカでテスラの無線送電システムがふたたび脚光を浴びている。こんな記事が「ワイアードニュース」に掲載されました。
 テスラ伝説の中核をなすこの未踏技術については、これまで何度も取り上げられてきました。1980年代にはレーガン大統領の「スターウォーズ計画」(SDI構想)との絡みで取り沙汰されましたし、太陽発電衛星とマイクロウェーヴの組み合わせで実現を目指す「宇宙発電衛星」(SPS)構想も、1970年代から話題になっています。とくに後者では京大や旧文部省宇宙科学研究所(現「JAXA・宇宙科学研究本部」)など日本の活躍がめだっています。
 その意味ではまたかという感もありますが、今回のポイントは「……米国では、2001年の同時多発テロ以降、海外のエネルギー源に依存したくないという思いが強まっていることから、無線電力伝送システムを含めた代替燃料構想への関心が高まるのではないか……」──というあたりとか、ブッシュ大統領の月面基地構想とのからみかなと思っています。いずれにしても興味深いニュースではあります。
 くわしは「ワイアードニュース」のサイトで。


生誕150年に向けて祝賀ムード高まる

2005.10.20

   来年はテスラ生誕150年ということで、世界中で祝賀ムードの盛り上がりが見られます。
 アメリカでは「ナイアガラの滝」のカナダ側にある観光スポット「クイーンビクトリアパーク」に、テスラのモニュメントの設置が決まっています。モニュメントのデザインは公募によって決まったとのことですが、デザイン画を見るとかなり斬新なもののようです。来年の誕生日(7月9日)にお披露目される予定ですが、ナイアガラの新たな観光スポットとなるかもしれません。
 同じくアメリカの話です。テスラ記念協会では、生誕150年を記念して国会議事堂の建物内にテスラの胸像を設置するよう主張しています。
 国会内には歴代大統領や宇宙飛行士など、アメリカを代表する偉人の彫像がずらっと並んだ一角がありますが、そこにテスラも並ぶべきだというのです。具体的な取り組みはわかりませんが、最近のテスラ人気を加味してもこちらの実現はかなりむずかしそうです。
 そのほか世界各国でさまざまなイベントや記念行事が予定されていますので、今後、順次、紹介していきたいと思います。


NICOLA配列エミュレーターTESLA

2005.7.8

 Googleで検索していたら、TESLAというソフトウェアの紹介に出会いました。MacOS Xで親指シフト入力をおこなうためのソフトウェアだとのこと。
 親指シフトとはなつかしい。ワープロ専用機全盛時代、富士通ワープロで使われていたこの日本語入力法こそ最速といわれたものです。その親指シフトキーボードの発展形がNICOLAキーボード。そのNICOLAキーボードによる入力をMacOS X上で行うためのソフトウェアがTESLA――。
 うーん、いいですね。なんか洒落てますね。逆境にめげない親指シフトファンの情熱にも感動しました。  

テスラは世界一自尊心が強いセルビア人

2005.9.30

 米国のインターネットサイト「ウェブMDメディカルニュース」によれば、個人の自尊心が最も高い国は「セルビア」で、最も低い国は「日本」だという調査結果が出ました。
 調査に当たったのは米ブラッドリー大学の心理学科研究チーム。全世界53カ国の1万7000人余を対象に個人の自己評価における肯定度を回答させ、自尊心の強さを国別ランキングにしました。
 1位セルビア以下、チリ、イスラエル、ペルー、エストニア、アメリカ、トルコ、メキシコ・・・と続いて、53位最下位(つまり「自虐」心第1位)が日本というわけです。
 一位のセルビアというのはちょっと納得ですね。わたしがつきあったセルビア人は、自尊心のかたまりのような人が多かったからです。
 テスラの自伝などを読むと、自分の発明に対してつねに前向きに評価していることがわかります。それも強烈な自尊心という民族的遺伝子のなせる技と考えれば理解できます。
 電流戦争では自尊心1位のセルビア代表テスラと、自尊心5位のアメリカ代表エジソンが戦ったわけですから、これは容易におさまるわけはありませんね。


「最も偉大なアメリカ人」の候補にノミネート

2005.7.4

 6月、世界最大のドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリー・チャンネル」(AOLテレビジョン)で、「最も偉大なアメリカ人」を選ぶ投票が行われました。最初に100人がノミネートされ、6月中に25人、5人と絞られ、7月始め1位が決定しました。
 結果、1位はレーガン。以下リンカーン、キング牧師、ワシントン、フランクリンがベストファイブ。テスラは最初の100人にはノミネートされましたが、25人の中にははいりませんでした。
 残念な結果ですが、エジソン、アインシュタインと並ぶ数少ない科学畑の候補者となったことで満足しましょう。ちょっと前までは候補になることさえ考えられなかったのですから。


江戸川乱歩はテスラを知っていたか?
2005.7.16

 旧知のミステリー評論家新保博久氏から、光文社文庫版「江戸川乱歩全集」の最新刊(第23巻)を送っていただきました。この刊には少年探偵団シリーズの一編「超人ニコラ」が収録されています。
 その解説で、新保氏は本作に登場するニコラ博士とニコラ・テスラは関係ありや、なしやと問いかけて、拙著「超人ニコラ・テスラ」の書名をあげておられます。
 この件に関しては、新保氏から直接お電話もいただきました。そのときは作品中の魔術師的なニコラ博士のイメージから、テスラとは直接関係はないと思うとお答えしました。また超人という形容の一致についても偶然の一致であるとお答えしました。
 ただ、よく考えると乱歩がテスラのことを知っていた可能性もまったく否定できません。乱歩は日本SFの父海野十三と親しかったからです。十三はもともと電気工学者で、テスラのことをよく知っていました。ですから乱歩が十三からテスラの話を聞いた可能性はあるかも知れません。
 そこでテスラに魔術師的なイメージをもち、そのイメージを作品に反映させたという可能性もなきにしもあらずです。まあ、想像の域を出ない話ではありますが。
 そこで、ひとつ気になるのはニコラ博士が1848年生まれだということです。これは微妙な年号です。ごぞんじのようにテスラの生年は1856年。1848年というのはエジソンの生年の翌年で、つまり博士はエジソン、テスラと同時代人ということになります。ちょっと引っかかりますね。
「超人ニコラ」の話は以前、同じく旧知の書評家牧慎司氏からもうかがったことがあります。そのときも、今回の新保氏に対しても充分なお答えができなかったことが残念です。
 そういえば少年探偵団シリーズは子供の頃よく読みました。この作品も読んだ覚えがあるのですが、超人ニコラというタイトルは全然憶えていませんでした。拙著のタイトルはもともと編集者の提案だったので、こちらは偶然の一致だと断言できます。
 いずれにしてもテスラを取り巻く文化的深層の深さをかいま見せられる出来事ではありました。


遅ればせながらプリースト「奇術師」にテスラ登場
2005.6.6

 クリストファー・プリーストの「奇術師」(ハヤカワ文庫FT、2004年)にテスラが登場するという情報は、刊行時から複数の方から寄せられていました。このほど1年遅れで入手し、とりあえずテスラの登場シーンだけ拾い読みしました。
 その限りでは、伝記的な部分との整合性が取れており、きちんと調べて書いているなという印象です。テスラの基本的アイデアを活かしながら、物質電送に変換したアイデアも見事です。
 とくに感心したのがテスラの人物造詣。短い登場シーンながら、狷介孤高の天才の姿を余すところなく伝えています。コロラドスプリングズでの実験はさながら現場に立ち会っているかのようで、わくわくしながら読み進めました。
 もっと速く紹介すべき本でした。反省・・・。
 読み通したらあらためて感想をアップします。


映画「コーヒー&シガレッツ」にテスラコイル登場
2005.5.23


「ミステリー・トレイン」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」などで知られるジム・ジャームッシュ監督の映画「コーヒー&シガレッツ」(現在公開中)にテスラコイルが登場します。この映画はカフェを舞台にコーヒーと煙草が繰り広げる11編のショートストーリーを収めたオムニバス作品で、テスラコイルが出てくるのは「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」という短編です。
「テスラに心酔している青年がテスラコイル(バンに載せてわざわざ運んできたらしい)を彼女に見せ、「地球は一個の共振体」などと熱く語っているうちにゴーグルと手袋を着けてビビビ…と実験するがショート(?)し、彼女と原因を話し合う…というほぼそれだけの話なのですが」(杉目麻希子さんのご紹介)ということですが、そのシチュエーションを聞くだけでテスラファンとしてはゾクゾクっときます。
 所長は未見ですが、近々ぜひ足を運びたいと思っています。ブログを検索したら不思議な脱力系ムービーとの評を見かけたので、他の作品も楽しみです。公式によれば、スペシャル・サンクス、ニコラ・テスラ&テスラコイルとのことでした。
 情報をご提供くださった杉目さんに感謝です。


「日経サイエンス」6月号にテスラの記事


2005.5.13

「日経サイエンス」6月号(日本経済新聞社、4月25日刊)にテスラの記事が掲載されました。著者はバージニア大学工学応用科学部准教授のW. B. カールソン氏。内容はテスラの業績の概観と小伝で、テスラファンには余り新味はありませんが、コンパクトでバランスのとれた上々の紹介記事になっています。一度、おさらいのために目を通しておくのもよいかもしれません。写真もきれいです。



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